
suplestの舞台裏:「スイスらしく、プレミアムでシンプルに」
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Suplestの舞台裏:「スイス製・プレミアム・シンプル」を貫く
スイス発の高品質サイクリングシューズブランドsuplest。価格帯はやや高めで、やや限定的な販売形態をとっています。それにもかかわらず、ユーザーの評価は非常に高く、「価格に見合った価値がある」との声が多く寄せられています。
では、suplestはどのようにして誕生し、どんなこだわりを持っているのでしょうか? CEOのダニエル・バルマー氏に話を伺いました。
創業の背景 – 夢を形に
バルマー氏は若い頃、競技レベルでマウンテンバイクに打ち込んでいました。しかし、進学や海外生活により、一度は自転車競技から離れます。
転機が訪れたのは軍隊での出会いでした。そこで知り合ったロバート・ゲーリック氏と意気投合し、共に「自転車関連の事業を立ち上げたい」という夢を持つように。
バルマー氏の父親は靴業界に精通しており、台湾に住んでいたため、シューズ製造のネットワークが身近にありました。その影響もあり、2人は高品質なサイクリングシューズの開発を決意します。
2007年、バルマー氏はスイスのBMC(自転車ブランド)でプロジェクトマネージャーとして働きながら、suplestを創業。BMCでの経験を活かしつつ、父のコネクションを通じて台湾の工場と協力し、製品開発を進めました。
高品質へのこだわり
suplestは創業当初から**「スイス品質」「ハイエンド」「エクスクルーシブ」**というコンセプトを掲げ、徹底した品質管理を行っています。
フィードバック重視
市場調査を徹底し、プロライダーの意見を取り入れながら開発を進めました。特に、元プロロードレーサーのファビアン・カンチェラーラ氏が開発に深く関わり、現在も主要なテスター兼アドバイザーとして活動しています。
最高レベルの素材選び
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- インソール:Solestarと提携し、フィット感と快適性を向上
- アッパー素材:軽量かつ耐久性の高いメッシュを採用
- クロージャー:Boaの高性能ダイヤルシステムを搭載
- 生産体制:suplestのシューズはアジアで生産されているものの、長年にわ たりトップブランドのシューズを製造してきた信頼できる工場でのみ生産されています。大量生産ではなく、1足ずつブランドの基準を満たすように厳格に管理されています。
suplestの代表技術 – 「アナトミックラップ」
suplestの最大の特徴の一つが「Anatomic Wrap(アナトミックラップ)」という独自の設計です。
足の甲を包み込む構造により、
高い甲の人でも低い甲の人でもフィット感を得られる
足先には適度なゆとりを確保し、快適性を損なわない
この設計により、ホールド感と快適性を両立したシューズが生まれました。
ブランドの方向性 – 大量生産はしない
suplestはシューズ以外にアパレルラインも展開していますが、これはブランドのイメージ向上が主な目的。
例えば、オーストラリアのブランド「MAAP」とのコラボは、互いのブランドストーリーが似ていたことから実現しました。
「私たちはスモールブランドのままでいい。銀行や投資家に頼らず、独立した意思決定ができるのが強みだ。」
とバルマー氏は語り、**「スイス製・プレミアム・シンプル」**というブランド哲学を今後も貫く考えです。